趣味の蒐集品

 

帝政ロシアの通貨事情/18世紀

ひげ税記章 (髭トークン)

Бородовой знак

 


 

ロシア皇帝ピョートル一世は、ひげ税 Налог на бороду を制定した。 当時のロシアでは宗教的な理由から男性は髭を蓄えるべきと信ずる者が多く、髭を剃ることへの抵抗は根強かったが、税の納付を拒否した者は髭を公の場で強制的に剃られた。

1705年1月16(27)日付け勅令:「司祭および助祭を除くすべての階級の人々に、髭と口ひげを剃り、これを望まない者から税を徴収し、納税者に記章を発行することについて」

Указ 1705 года ≪О бритѣи бородъ и усовъ всякаго чина людямъ, кромі поповъ и дьяконовъ, о взятѣи пошлины съ тѣхъ, которые сего исполнить не захотятъ, и о выдачѣ заплатившимъ пошлину знаковъ.≫

この勅令では、廷臣、都市貴族、官吏は年600ルーブル、大商人は年100ルーブル、中小の商人や市民は年60ルーブル、使用人、御者、馭者、聖歌僧、およびモスクワ居住の雑階級の者は毎年30ルーブルの4等級で税が制定された。 農民は税の対象ではなかったが、市中に入るたびに「ひと髭」1コペイカが請求された。 1715年からは年ひとり50ルーブルになった。 ひげ税を納めた者には 「ひげ税記章(髭トークン) Бородовой знак 」 が与えられ、これを携帯することが義務付けられた。

ひげ税の税額をこの当時の物価と比較してみよう (1ルーブル=100コペイカ)。 勅令が発せられた前年の1704年ごろ、肉は1プード (16 kg 強) で30コペイカ、穀物は1プードで10コペイカであった。すなわち、コペイカ銅貨1枚で、500 g ほどの肉、穀物であれば1.6 kg ほどが購入できたことになる。 また、この当時、特殊技能をもたない労働者の1日の平均賃金は5〜8コペイカであった。
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ひげ税は、かなり高額であった。 ひげ税は1772年に廃止された。

 

ひげ税記章 (髭トークン)

ひげ税の勅令発布から廃止されるまでの間に、いくつかの異なる様式の記章が造られたが、1705年に発行された記章は円形で、 表面には 「徴税済 ДЕНГИ ВЗѦТЫ 」 の字句と髭のある顔の下部、 裏面には国章の 「双頭の鷲」 と発行年の1705年がキリル数字で 「҂АѰЕ ГОДѸ 」 と刻まれてる。

 

表面 / 裏面
 


Бородовой знак 1705 года, без надчеканки. Новодел, Медь,Вес: 4.5 г, Диаметр: 22 мм,
Брекке 4 (точка), Биткин Ж3896 (R2), Руденко Б.11.н (R2). Редкий.

 


 

蒐集品は、2022年1月の某オークションで入手したもので、蒐集貨幣の鑑定会社 NGC(Numismatic Guaranty Corporation) のスラブケースに封入されており、 手で記章に直接触れることができなくなっている。 残念ながら、どういう訳か上下が逆になっている。 銅合金の劣化を根拠とした鑑定有効期間が2021年9月17日〜2031年9月17日となっており、それが過ぎるまでは上下逆の状態のままにしておくしかない。

NGC Cert # 5970059-021
1705-DATED RUSSIA RUDENKO-15, NOVODEL BEARD TAX TOKEN BRONZE
AU DETAILS BURNISHED