ロシア革命の貨幣史

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地域通貨 (1917―1922年)

 

ロシア革命に前後する動乱の時代に、ロシアの各地で発行された地域通貨を、地図の上から検索できる。

地図上にマウスポインタを当て、ポインタの形状が  から   に変わった位置で、クリックすると、その地域の通貨の解説ページが表示されます。

ドイツ軍占領地域 ユデニチ軍 ロジャンコ軍 (北部軍独立軍団) アルハンゲリスク ウクライナ オデッサ クリミア州政府 南ロシア政府 クバン地方 テレク・ソヴェト共和国 バクー バトゥム ザカフカス地方 ザカフカス社会主義連邦ソヴェト共和国 トルケスタン ザカスピ地方 ウラル地方 オレンブルグ エカテリンブルグ サマラ政府 (コムチ) シベリア地方 全ロシア臨時政府 (コルチャク政府) イルクーツク軍事革命委員会 ヴェルフネウヂンスク チタ・セミョーノフ軍 ブラゴヴェシチェンスク 極東共和国 極東人民委員会 極東臨時政府 (沿海州自治庁) 移民局紙幣 (凸版印刷製造)

 

地域通貨 [解  説]

第一次大戦からロシア革命を経て国内戦が終結するに至る時期には、おびただしい種類の地域通貨が発行されていた。 それは、大戦当時のドイツ軍占領地域における通貨、十月革命の初期および国内戦の時期に貨幣発行の中心地との交通の遮断によって 通貨の供給が困難になったことから銀行・自治体・各種の組合などによって発行された貨幣代用物、あるいはまた、 通貨の不足緩和よりも、むしろ地方政権の財政不足を補填するために補助的収入財源として発行された地域通貨など、 その種類はきわめて多様である。

これらの地域通貨に対するソヴェト政府の基本的方針は次のようなものであった。 すなわち、一時的に中央から遮断されていた地方で、その地方のソヴェト機関によって発行された通貨については、その発行を停止するとともに、 その地域通貨を全国的なソヴェト紙幣と引き換えた。 また、非ソヴェトあるいは反ソヴェトの地方政権によって発行された通貨に対しては、革命によってソヴェト制度を確立した辺境の独立共和国における 通貨についてはそれを承認し (そのような共和国ではソヴェト紙幣も地域通貨と並行して流通した)、一方、 積極的にソヴェト政府と敵対して戦った白衛政府によって発行された通貨については何らの賠償も用いずに全て無効とした。

 

本稿で取り上げた地域通貨一覧

ロシア西北部・北部

ウクライナ

  • キエフ  (ウクライナ中央ラーダの紙幣、スコロパツキー政府の紙幣)

  • オデッサ  

南ロシア

ザカフカス

中央アジア

ウラル

シベリア・極東

 


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はじめに / 序.ロシアにおける金本位通貨制度の実施 /
1. 帝政ロシア末期の貨幣流通 / 2. 第一次大戦下の通貨事情 /
3. 臨時政府の通貨発行 / 4. 十月革命とソヴェト政府の通貨政策 /
5. 国内戦争と戦時共産主義の時代 / 6. 新経済政策と通貨制度の再建 /
全国的通貨 / 地域通貨 /

アルマヴィル貨幣の歴史的考察 / 非貨幣交換のための貨幣代用物 /
団結は力なり ― 消費組合の代用貨幣 /

ロシア革命史 (年表)